頸椎ヘルニアとは?初期~後期症状まで

寝起きや長時間活動した後などにこわばりや疲労を感じることはどなたにもあることだと思います。そしてその違和感を放置しているとふとした時に、頭が痛い、首が動かしにくい、しびれる、などの症状が現れてきます。

私たちの首は、頸椎と呼ばれる7つの骨からできていますが、なにかしらの衝撃を受けたとき、運動不足、あるいは加齢などによって、腰にもよく現れるヘルニアになってしまうことがあります。頸椎ヘルニアとは、頚椎の椎間板が膨らんで神経を圧迫する状態のことで先のような症状を引き起こします。

ちなみにヘルニアとは本来あるべき位置にそのものがない状態のことを指しますが、頸椎は頭から流れる電気信号の通り道であり、ここで神経が圧迫されると身体のいたるところにその悪影響が及びます。それでは詳しく確認してまいりましょう。

頸椎ヘルニアとは

腰の痛みを引き起こす疾患として「椎間板ヘルニア」という病名をよく耳にしますが、そもそも椎間板とは24個の椎骨でなる背骨の各椎骨同士を繋ぐクッションのようなもの。椎骨のある部分全てに存在しているため、椎間板のある場所ならどこででも起こり得ます。とは言え体の構造上負担がかかりやすいのはやはり腰と首。それで腰、つまり腰椎で起こるヘルニアは「腰椎椎間板ヘルニア」、そして首、つまり頸椎で起こるヘルニアは「頸椎椎間板ヘルニア」あるいは略して「頸椎ヘルニア」とも呼ばれます。

椎間板は「繊維輪」と呼ばれる繊維状の組織が「髄核」というゲル状の物質を取り囲むようにしてできており、首の部分では頸椎を構成する7つの椎骨1つ1つの繋ぎという役割を果たしています。この椎間板はある程度弾力があるので多少の衝撃や圧力には耐えることができますが、耐え切れないほどの衝撃や圧力で繊維輪が壊れてしまうと中にある髄核が飛び出して、側を通っている神経を圧迫してしまいます。これが、「頸椎ヘルニア」。頸椎付近を通る脊髄は腰付近のそれとは異なり肩や腕、頭部、下半身まで体のあらゆる部位に関係するため、体中広い範囲で障害を引き起こす可能性があるのです。

頸椎ヘルニアの症状

頸椎ヘルニアの初期段階では、首の後ろ側から背中にかけて、凝り、だるさ、違和感などがあります。この段階で適切な対応をすれば1週間~8週間程度で改善していくのですが、放置していると進行し、神経根に影響して鈍痛ではなくハッキリとした痛みを感じたり痺れを併発したりと、具体的な障害へと発展します。また第四頸椎(上から数えて4番目の椎骨)以降の神経根が障害されると腕や手に痛みや痺れ、浮腫み、握力低下なども見られるようになります。

また第三頸椎より上の神経根が障害されると、頭部に症状が現れます。具体的には、頬の後ろから側頭部、後頭部にかけての痛みや眼精疲労、目の充血、吐き気など等。骨の変形がひどくなり血管を圧迫すると、椎骨動脈不全を併発してしまうこともあります。

更に後期になると、痛みや痺れの程度がひどくなり、思うように首を動かすこともできなくなります。脊髄が圧迫されることで上半身だけでなく下半身にまで症状が現れ、脚のツッパリ感や歩行障害、尿コントロール障害、尿失禁まで引き起こすことも。そうなると日常生活に支障を来すようになるため、患部の治療、場合によっては外科手術が必要になる可能性もあります。

まとめ

今回は放置を続けると全身に悪影響を及ぼす頸椎ヘルニアについて記事を書いてまいりました。文中にもあるように頸椎は脳から出る信号の通り道でもあり、頭を支える重要な組織ですから痛みや違和感があるときは適切な対処をするようにしましょう。

また頸椎に限らず、運動不足でいると身体の組織が硬くなり、けがをしやすくなりますから日ごろから運動することを心掛けましょう。例えば頸椎や上半身の運動は下記のような方法がありますので、最近、身体の凝りが気になるという方は活動の合間にぜひ、試してみてください。けれどすでに痛みがあるという方は自分で解決しようとせず、専門家に相談するようにしましょう。

 

大胸筋ストレッチ

大胸筋は胸の前面にある大きな筋肉で、姿勢の悪化や過度の負担によって緊張が高まります。

さらに大胸筋が緊張することで肩が前方へ突出し、猫背になりやすくなります。

そのため大胸筋の緊張を緩和するストレッチには、姿勢改善効果があり背骨全体のバランスが改善され、症状も緩和されるのです。

それでは大胸筋ストレッチを行う際、以下の手順を参考にしてください。

大胸筋ストレッチ

STEP1:足を前方に出し片方の腕を壁に当てましょう

STEP2:体重を前方へ乗せましょう

STEP3:姿勢を戻しましょう

STEP4:胸の前面が伸びた状態を保持しましょう

※痛みがない範囲で行いましょう

上位頸椎屈曲運動

STEP1:両肘をついたうつ伏せ姿勢になりましょう

STEP2:顎を軽く引きましょう

STEP3:頭を後方へ引くイメージで運動を行いましょう

STEP4:繰り返し実施します

※首が丸まらないように注意しましょう

引用:PREHASAKU