つま先立ちすると足指の根元が痛い!中足趾節関節痛とは?

私たちは普段、自然に出来ていることに関してあまり注意を払いません。例えば歩く、走るなど移動することで身体にどこにどのような負荷がかかるのだろうか、などは痛みや違和感が出るまでは誰も気にしないものです。

今回はそんな歩く際の負荷によって足の裏に痛みや魚の目、タコなどを発生させる中足趾節関節痛というものについて記事を書いていきたいと思います。この疾患はスポーツ選手や高齢者など、様々な方に起こりうるものですが、特にランニングやジャンプなどの高い運動負荷が足裏にかかる、バスケットボールやバレーなどのスポーツをしているアスリートや、女性の方には十分に注意していただきたいと思います。

それでは記事を始めてまいります。

中足趾節関節とは?

つま先立ちをすると足指の付け根部分が痛い!と訴える方は少なくありません。その直接の原因となっているのは、「中足趾節関節」。「中足趾節関節」とは5本の足の指の付け根部分にあたる関節、指の先から数えて3番目と4番目(親指だけは2番目と3番目)の骨のつなぎ目にあたる部分で、「MTP関節」とも呼ばれています。またどの指のMTP関節なのかを呼び分けるため、親指から数えて「第〇中足趾節関節(第〇MTP関節」と表現します。例えば足の中指のMTP関節は、「第3MTP関節(第3中足趾節関節)」と言うわけです。

中足趾節関節部、より正確に言えば3番目(基節骨)と4番目(中足骨)のつなぎ目にある中足骨頭部は、歩行を含め運動時に大きな負荷がかかりやすい部分です。と言うのも中足骨は、足への衝撃を吸収したり推進力(踏み出す力)を生んだりするアーチのちょうど設置点となるため、運動時には体重と地面からの衝撃をダイレクトに受けることになりますし、特に踏み出す動作時にはかかとが上がり体重が足指に集中するため、中足骨頭部に大きな荷重がかかるのです。

中足趾節関節痛とは?

このため負荷がかかりやすい中足骨頭部は痛みが出やすく、これを「中足趾節関節痛」と言います。特に多いのは第2~3中足骨頭部で、足の横アーチが失われている「開張足」の人は、本来第1中足骨頭部と第5中足骨頭部で体重を受けるべきところが第2・第3中足骨頭部で受けてしまうことになるため、予定外の負荷がかかって骨頭部や付近の靭帯、筋が炎症を起こしてしまうのです。また何度も地面にこすりつけられるため、タコやウオノメなど皮膚にも症状がみられることが少なくありません。

開帳足や外反母趾など足の変形以外では、常用している靴が原因となって中足趾節関節痛を引き起こすケースが多いと言われています。特にかかとの高い靴は常につま先立ちをしている状態になるため、中足骨頭部に慢性的な負荷がかかります。

また女性の履くハイヒールはつま先の細いデザインが多いですが、これも足の横アーチを損なって開帳足になりやすいため、中足骨頭部痛やモートン病(足指の神経が圧迫されて起こる痛みやしびれ)など中足趾節関節痛の原因となります。更にスポーツをしている人、特に中足骨頭部にポイントが当たるようなスパイクを履いている人、足指に体重をかける姿勢を取ることの多い競技をしている人も、中足趾節関節痛を引き起こしやすいと言われています。

まとめ

今回はタコや魚の目あるいは足裏の痛みを引き起こす中足趾節関節痛について記事を書いてまいりました。文中にもありますが、この疾患はハイヒールやつま先の細い靴を履く機会が多く、男性よりも骨格が脆弱な女性に起こりやすい疾患といえます。

例えばインソールなどを靴の下敷きとしていれるのも一つの予防策ではありますが、一番はまず長時間、硬い靴を履かない、あるいは下記のようなトレーニングをすることで足裏の筋肉を維持することが解決への近道となります。

トレーニング

ステップ19をそれぞれ10回ずつ×35セット行ってください。

トレーニング前には、ストレッチングを行い、急な運動は避けてください。

ステップ1.大腿四頭筋セッティング

太ももに力を入れて、膝下の枕を押しつぶします。

ステップ2.大腿四頭筋トレーニング

膝をまっすぐになるまで伸ばします。

ステップ3.スクワット

肩幅に脚を開いて立った姿勢から、お尻を下ろしていきます。

ステップ4.ブリッジング

腰を立てた姿勢からお尻を持ち上げます。

この時、腰をそらさないように注意してください。

ステップ5.もも上げ

膝を胸に近づけるように持ち上げます。

ステップ6.外転筋トレーニング

横向きに寝た姿勢で脚を真上に持ち上げます。

ステップ7.かかと上げ

壁を支えながらかかとを上げてつま先で立ちます。

ステップ8.足趾トレーニング

足趾握り、開き

足の指を握ったり開いたりを繰り返します。

外反、内反

次いで足の指を握ったまま、足首を内側、外側にひねります。

ステップ9.腹筋トレーニング

膝を立てた姿勢から両手で膝を触るように体を起こします。

引用:人工関節ドットコム