むちうちの症状はいつから出る?その種類と症状の現れ方

交通事故でケガをした、、と聞くと真っ先に思い浮かべるのがむちうちだと思います。もちろん日常生活でもむちうちにかかってしまうことはありますが、やはり圧倒的に不意に、そして激しい衝撃が起こる交通事故による首の損傷で起こることが多いと言えます。

「むちうち」とは追突の際に首がむち打ったようにしなることからこのように呼ばれるようになった俗称で、医学的には具体的に頸部のどの組織が損傷を受けたかによって、「頸椎捻挫」や「頸部挫傷」などと呼び分けられるものですが、今回の記事では首以外にどのような箇所に損傷が現れるのか、あるいは首に現れた症状の原因はどこにあるのか、などについて記事を書いていこうと思います。それでは詳しくみてまいりましょう。

むちうちの種類と症状は?

先にむちうちは頚部(首)の損傷によって起こるということは記載しましたが、このうち最も多いのは、「頸椎捻挫」で、これはその名の通り頸部の靭帯や筋肉が伸びたり断裂したりしている状態です。「捻挫」と聞くと軽傷のように思えるかもしれませんが、これがこと頸部で起こっている場合、首や肩の痛み、可動範囲の制限だけでなく、頸部の筋肉が過度に緊張することで頭痛まで発症してしまうことがあります。

また首の強い伸縮は自律神経を損傷してしまうこともあり、これを「バレリュー症候群」と言います。自律神経は体温調節やホルモン分泌、呼吸や循環など様々な生命活動をコントロールする司令塔であるため、ここが損傷を受けると頭痛やめまい、吐き気、倦怠感など自律神経失調症のような症状を感じるようになります。

更にむちうちにより頸部を通る神経が圧迫される「神経根症状型」や、脊椎中にある脊髄が損傷を受ける「脊髄症状型」になると、体の感覚を脳に伝えたり脳からの指令を筋肉に伝えたりする経路が阻害されてしまうため、手足のしびれや麻痺、筋力低下、痛みなどの症状が現れるようになります。

むちうちの症状はいつでる?

このようにむちうちは日常生活に支障をきたし、場合によってはそれが長期間にわたって続くこともあるため決して軽視できないケガなのですが、場合によっては事故発生の直後にはこれらの症状が現れないため、「この程度なら大丈夫」と医療機関を受診せずに数日を過ごしてしまう人も少なくありません

実際むちうちの症状が現れ始めるのは人によって様々で、すぐに異常を感じる人もいれば事故の数日後、さらには1~2週間を過ぎてようやく症状が出てくるという人も。これは障害を受けた部分やその程度が関係していると思われますが、加えて事故直後は興奮状態でアドレナリンが大量に分泌されるため、痛みを感じにくくなっているからだとも言われています。

また事故を起こしてしまったという精神的なショックから、心がその事実をなかなか受け入れられず、一時的な防衛反応として体の痛みや異常を感じられないということもあります。そのため事故からしばらくの時間が経過したのち、ようやく心が落ち着いてきた時にむちうちの症状を感じる、というケースもあるのです。

まとめ

今回は交通事故の際には気を付けておきたいむちうちについて記事を書いてまいりました。文中にもあるように交通事故によるむちうちは数日後に起きることも多くあり、軽症に見えていても出来る限り専門家にかかるようにしましょう。

それでは最後にむちうちが起こり、専門家に相談する際、どういったことをキチンと伝えればよいのか記載されているものがありますので、参考に引用してみたいと思います。前述の通り、ムチウチは症状が様々ですから、どのような専門家でも対象者の身体がどのように、そしてどんな時に痛みを感じるのか正確に伝えることが肝要ですので、是非、参考にしてみてください。

1.いつから痛いか(痛みが出た時)

むちうち症状の出現には、事故当日から数週間と個人差があります。筋肉の損傷であれば、当日から数日の間で症状が出現します。痺れや指先の冷え、頭痛などの神経が関与する症状では当日から数週間と、しばらく経ってから現れる場合があります。痛みが出るタイミングは診断する上で非常に重要な情報です。

(中略)

3.どんなときに痛いか(静止時や特定の動作)

静止時で痛い場合には、どの姿勢で痛みが出るのか伝えましょう。人間は座っているだけでも筋肉は活動しています。人間の頭は体重の10%程度であると言われていますが、座っているときにその頭を支えているのは首の筋肉になります。横になると痛みが消失ないし軽減する場合には、首の筋肉が原因であることが多いです。

(中略)

4.どのような痛みか(痛みの種類)

ズキズキとするような鈍痛の場合は、筋肉が原因であることが多いです。首をはじめ、人間の関節は可動範囲が決まっています。事故の衝撃で無理な方向に力が加わってしまった場合に、それを阻止しようと筋肉が過剰に働きます。筋肉に負荷を強く与えてしまうと、筋繊維は損傷して痛みが起きます。

引用:交通事故病院