別名「ジャンパー膝」・膝蓋腱炎の治療方法は?

最近、膝の下がずっと痛い、走るとズキズキと痛む、膝の曲げ伸ばしがつらい、正座ができない。などの違和感を感じている方、多くいらっしゃると思います。その際、普段、特に運動などをしていない場合は変形性膝関節症や関節リウマチなど関節や加齢による膝の衰えなどが考えられますが、日常的に運動されている場合は、今回ご紹介するジャンパー膝の可能性も考慮してみましょう。

ジャンパー膝は名前の通り、バレー、サッカー、バスケなどのようにジャンプとストップ&ゴーを繰り返す競技をされる方によくみられるもので、先のように膝に違和感や痛みを感じるという症状が特徴です。

たいてい、どのような疾患も同じですが、膝は特にけがをしやすいのに治るまでに時間がかかるという特徴を持っており、できればけがを未然に防ぐようにしたいものです。それでは記事を始めてまいります。

膝蓋腱炎とは?

10代~30代の男性に多いとされ、特にバレーボール選手約50%が発症するとも言われている、「膝蓋腱炎」。「膝蓋腱」とは大腿四頭筋(太腿の上部にある筋肉)から脛骨(すねの骨)へとつながっている腱で、ジャンプやダッシュなどの膝関節を屈伸させる動作を頻繁かつ長時間行っているとここに慢性的な負荷がかかり、やがて小さな亀裂が入ってしまいます。こうして起こる膝の炎症を、「膝蓋腱炎」と呼ぶのです。従って膝蓋腱炎もオーバーユースによるスポーツ障害に分類されるのですが、特にジャンプすることの多いスポーツ選手に多く見られるため、別名「ジャンパー膝」とも呼ばれています。

膝蓋腱炎はその重症度によって対策が異なり、まだ軽度でスポーツ中やその後に多少の痛みは感じるもののプレイに支障ない場合はスポーツ活動をある程度制限するだけで良い場合もありますが、常に痛みがあってプレイに支障が出る中度の場合は基本的にスポーツを休止し、一定期間安静にしておく必要があります。一方小さな亀裂に留まらず膝蓋腱が断裂してしまっている重度の場合には、腱の切除や再建手術が必要となることがあります。

膝蓋腱炎の改善方法は?

従って膝蓋骨(膝のお皿)の下からその下の靭帯にかけて痛みを感じる症状が現れたなら、その時点で早めに対策を取ることが大切です。

それは例えば大腿四頭筋やハムストリングス(大腿二頭筋・半膜様筋・半腱様筋)、下腿三頭筋を伸ばすストレッチ、両足や片足のスクワット、また踵を上げてふくらはぎを鍛える「カーフレイズ」などが指導されます。これらはスポーツを続けながらの治療が可能な軽度の場合にも、プレイ後のクールダウンとして行うと効果があります。

また近年では外科手術に替わる効果的な治療法として「体外衝撃波」を用いた治療法も注目されるようになっています。この「体外衝撃波」を照射すると筋肉や脂肪を通過して骨や腱などの患部に直接作用し、痛みを誘発する疼痛伝達物質を減少させたり、血行を改善して損傷した組織の修復を促進させたりします。これはもともと結石の破砕などに使用されていた治療法なのですが、現在膝蓋腱炎にも効果があることが分かってきています。

まとめ

今回は名前の通り、日ごろからジャンプするような競技をしていたり、膝を使いすぎることによっておこるジャンパー膝について記事を書いてまいりました。文中にもありますが、ジャンパー膝など、膝にかかわる疾患というのは早期発見・早期改善がなによりですし、日ごろのケアによってケガを未然に防ぐこともできます。

またその際は、膝そのものをテーピングでケアするのではなく、膝周りの筋肉を鍛えることで、膝にかかる負担を軽減させることができます。例えば以下のようなストレッチを練習に取り入れたりしてはいかがでしょうか。

ストレッチの効果

ジャンパー膝は筋肉が緊張して硬くなっていると発症しやすくなり、運動をする前には伸ばしておくことが大切になってきます。筋肉を伸ばすことはストレッチを行うことが効果的であり、ジャンパー膝になってしまうリスクを大幅に下げることができます。

(中略)

大腿四頭筋のストレッチ

膝の高さがある安定した台を用意する

1m離れて片足を台の上でに乗せる。

体を下に下げつつ、体は前に傾ける

10秒キープし、台に乗せる足を交代する

大腿四頭筋のストレッチを行うことで膝への負担がかかった際に腱を損傷してしまうリスクを下げることができます。

やり方は膝の高さの台を用意し動かないように壁際などに設置します。

次に、台から1m離れた場所に立ち、片方の足だけを台の上に乗せます。

この際にかかとまでしっかり台の上に乗せるように心がけましょう。

次に、体を下に下げつつ、体を前に傾けることで太ももの前と後ろを広範囲に伸ばすことが可能になります。

伸びる感じがする位置で10秒キープし、反対の足も同じように伸ばしましょう。

引用:TENTIAL