そのめまいは風邪の症状ではないかも?前庭神経炎!

身体の不調について聞かれると多くの方が引き合いに出すのは腰痛や肩こりといった日常的に起こりうる不調を上げることの方が多いと思います。しかし、よほどひどいものでなければ腰痛や肩こりで動けなくなってしまうことはありません。

今回ご紹介する前庭神経炎は主にめまいを引き起こす疾患ですが、めまいというのは目にみえない代わりに歩くのが困難になったり、仕事や家事に集中できない、吐き気を感じるなど仕事だけでなくプライベートにも影響を及ぼすものです。

単純な風邪や貧血などによってもめまいは引き起こされますが、今回ご紹介するような疾患によって起こるめまいはなかなか改善が難しく、出来ればかかりたくないものです。それでは詳しく見てまいりましょう。

前庭神経炎とは?

めまいを引き起こす疾患というとジャニーズジュニアの一人に発症したメニエール病などが有名かもしれませんが、同じように耳の中にある三半規管や耳の中に異常が発生して起こるめまいというのには多くの疾患名があります。

耳の役割を聞かれた際に多くの方がおっしゃるのは音を聞くことであると答えると思いますが、実はそれだけでなく身体のバランス感覚を司っているのも耳なのです。では耳はどのような構造になっているかというと、まずは表面に見える部分を耳介(じかい)と呼びます。

次に奥に入っていく毎に中耳(ちゅうじ)・内耳(ないじ)と呼び方が変わり、鼓膜の奥にはリンパ液という液体が詰まっています。ちなみにこのリンパ液が異常に発生してそのリンパ液のなかにある蝸牛(かぎゅう)を混乱させてめまいを引き起こすのがメニエール病です。

また、この蝸牛が振動として伝わってきた音を科学信号へと変換させ、そこから脳へ伝わっていき、音として認識できるというのが人間の耳の構造です。そして蝸牛の隣には三半規管と前庭という組織があり、これがバランス感覚を司っています。さらに前庭からは脳へと続く前庭神経が通っており、今回のテーマになっている前庭神経炎はこの神経が炎症を起こしてしまうことでめまいを引き起こすという疾患です

前庭神経炎の症状とめまいの対処

前庭神経炎の主な症状はめまいです。しかし回転性のめまいなので目の前がぐるぐると回っているように見え、めまいに伴って吐き気や嘔吐といった症状が出ます。またその症状は一過性のものではなく数日間続くことが多いです。

しかし、一度めまいが発生するとその後に大きな発作は起きません。もちろん、めまいによって引き起こされたふらつきなどが残る場合はありますが、ずっと寝たきりになってしまうことはありません。

メニエール病との主な違いはメニエール病が起こると難聴がみられることがありますが、前庭神経炎では難聴が起こることはありません。また先ほども説明したようにメニエール病はリンパ液によって内耳が圧迫されることで引き起こされますので水の中にいるような耳閉感(じへいかん)を感じますが、前庭神経炎にはその症状が起こらないことが多いと言えます。

ちなみにメニエール病や前庭神経炎を始めとするめまいに対処する方法がまとめられているサイトなどもありますので、以下のような対処法も試してみてください。

メニエール病など、耳が原因で起こるめまいの大半は、安静に過ごすよりも積極的に体を動かすことが予防や再発防止につながります。人間の体は耳や目がセンサーとなり、筋肉の動きとともにすべての情報を脳で集めて、バランスが保たれています。大まかな動きは主に耳の三半規管が、細かい動きは目が察知しますが、それぞれの守備範囲は重なり合っており、柔軟な働きをします。例えば、片方の耳が悪くなってももう一方の耳や目が補い、本来とは違う形で集まってきた情報も脳がうまく調整して、体のバランスが図られます。ですから、じっとしているよりも動けば動くほど、脳の調節機能が促進され、リハビリテーションにつながるのです。

引用:ドクターズファイル

まとめ

今回は主にめまいを引き起こす前庭神経炎について記事を書いてまいりました。文中にもあるようにめまいは他人から見えることはありませんが、生活の質を下げることに直結し、出来ればかかりたくないものです。

例えばメニエール病は30代~40代の働き盛り世代によく疾患が現れることから、ストレスや不規則な生活、飲酒、喫煙、運動不足などが原因で発症するといわれており、前庭神経炎は風邪などの後に発症することが多く、ウィルスによって炎症が起こっていると考えられています。

昨今ではコロナウイルスが猛威を奮っていますが、従来のインフルエンザや風邪のウイルスも同じように蔓延していますから、マスクや手洗いといった感染症対策をしっかりとして余計な病気にならないように注意しましょう。