その下半身の痺れは座り過ぎが原因?梨状筋症候群!

どのような仕事でも長く続けていく内に職業病のようなものが出てくることがあります。それは例えば経理に長く勤めていれば数字の間違いがどうしても気になるようになってしまったり、営業職だと一見の方にビジネスチャンスがないかを探す習性がついてしまったりなどです。

またそういった心理的なもの以外でも座りっぱなしのデスクワーカーであれば腰痛や肩こりに悩まされていたり、スポーツ選手であれば膝や肩、肘などに不調を抱えることもあり、これも立派な職業病という言い方が出来ると思います。

今回はそういった中でも座りっぱなし、立ちっぱなしなど常に臀部にチカラが入っていることで起こる梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)という不調について記事を書いていこうと思います。

タイトルにもあるようにこの不調では下半身の痛みやしびれ、腰痛などが起こり、不快な感覚が付きまとう事になります。当記事をお読みいただき、ご自身に当てはまる時は改善に向けて努力しましょう。それでは始めてまいります。

梨状筋症候群とは?なにが起こってる?

それではまず、聞きなれない言葉だと思いますので、梨状筋についてご説明していきたいと思います。筋という言葉がつくので筋肉の事だとお分かりいただけると思いますが、梨状筋(りじょうきん)は臀部(でんぶ)つまりお尻を構成する筋肉の一つです。

臀部は大きく分けて「大臀筋」「中臀筋」「小臀筋」そしてインナーマッスルである「梨状筋」から構成されており、先の三つの筋肉がいわゆる私たちがイメージする「お尻」を形成し、その中心になって骨盤とふとももの骨を繋いでいる筋肉が梨状筋です。

この筋肉は立つ、座る、歩く、身体を回す時などに必ず使用されると共に、脳から発信された電気信号を下半身に伝える中継地点でもあります。その為、矛盾しているようでありますが、柔軟でありながら頑丈にしなければならず、多くの骨、靭帯、腱、関節、筋肉が折り重なるように複雑な構造をしています。

また梨状筋症候群を説明するにあたっては坐骨神経という言葉もご説明しなくてはなりません。坐骨神経は脊髄から下半身に伸びる太い神経なのですが、この神経が梨状筋の間を通っているので、先のように立ちっぱなし、座りっぱなしでいるとこの筋肉が凝り固まり坐骨神経を圧迫して、下半身に痛みや痺れを引き起こします。これが今回ご紹介している梨状筋症候群というわけです。

梨状筋症候群の症状と予防

梨状筋症候群の主な症状は冒頭にも少しあるようにちくちくとした下半身の痛み、麻痺、しびれ、倦怠感、腰痛、あるいは太ももの裏側、ふくらはぎ、膝の裏などにも痛み・しびれが現れるのが特徴です。

しかし注意していただきたいのが下半身の痺れや痛みを引き起こすのは何も梨状筋症候群だけではないという事です。前述の通り骨格、神経構造が非常に複雑なので背骨のズレや骨盤のズレ、あるいは椎間板の破裂(椎間板ヘルニア)などによっても引き起こされる可能性がありますから、早合点しないように注意しましょう。

またこちらも前章でお伝えしている通り、梨状筋症候群は立ちっぱなし・座りっぱなしなど同じ動作を続けることで筋肉が凝り固まってしまっていることが原因の一つとして挙げられます。

本来であれば休み休み行うのが一番ですが、仕事という事であればそうもいっていられないと思いますので、最後に梨状筋症候群に効くストレッチをご紹介します。症状が出ている方は一度試してみていただければと思いますが、先にも挙げているように下半身の痺れは梨状筋症候群だけが引き起こすものではありません。

一度、ストレッチを試してみたら痛みが出た、続けてみても一向に改善しない、などのことがあればお気軽に当院までご相談ください。

ハムストリングストレッチ①

まずは、お尻や太もも裏の筋肉であるハムストリングを伸ばせるストレッチを紹介していきます。

ハムストリングは、梨状筋と同じく股関節を支えている重要な筋肉なので、しっかりとストレッチをして、ほぐしておきましょう。

まず、床に仰向けの状態で寝て、両膝を立てます。

片方の足首を、もう片方の膝上に乗せます。

床についている方の太ももを抱えるようにして、ゆっくりと胸の方に引き寄せます。

お尻や太ももの裏が伸びる感覚を覚えたら、その体勢を20秒キープします。

逆側も行います。

ハムストリングストレッチ②

次も、お尻と腿裏のハムストリングを伸ばせるストレッチです。

デスクワークや運転など、1日の中で座っている時間が長い人は、お尻や腿裏が非常に固まりやすく、梨状筋症候群を発症する人も多いので、入念にほぐしていきましょう。

まず、床に両膝を立てた状態で座ります。両手は身体の後ろにつきましょう。

片方の足を、もう片方の膝上に乗せます。手は後ろについたままで、お腹を前方に突き出すような意識で、上体を倒していきます。

お尻と腿裏が伸びている感覚がしたら、そこで止め、20秒深呼吸をしながらキープします。

引用:TENTIAL