女性に多い「貧血」とは?その定義と症状、原因について

だるい、めまいがする、疲れやすい、血色が悪い、一般的な貧血の症状です。どのような体調不良も起きて欲しくはないものですが、貧血は特に身近な体調不調の一つでよくよく鉄分によって貧血は予防できるといわれてはいますが、今日は何を食べて、どのような栄養素を摂取しよう、と決めて生活することはなかなか難しいものです。
特に女性は普段の生活はもちろん、妊娠中などにも血液を失ってしまう機会が数多くあり、男性よりも圧倒的に貧血を起こしやすい傾向があります。どなたにも経験があるように貧血時は先のような症状だけでなく身体が上手く動かなかったり、やる気が出なかったりと圧倒的に生活の質を下げてしまうこともありますから普段の食生活でなるべく多く鉄分を摂取できるようにしましょう。
それでは改めて貧血について確認していきましょう。
貧血の正体
女性に多いと言われる「貧血」とは、血液そのものが少ない状態ではなく血液中の赤血球にある「ヘモグロビン」の量が不足している状態を指します。よく朝礼などで長時間立ち続けたために立ち眩みを起こすと「貧血で倒れた」と言われることがありますが、これは脳へ送られる血液の量が一時的に不足することで起きるもので、正確に言えば慢性的に血液中のヘモグロビンが不足している状態である「貧血」とは異なるものです。
より具体的に言えば、「貧血」とは血中ヘモグロビン値が男性で13g/dl未満、女性で12g/dl未満の状態のことで、厚労省によるとこの基準値を下回っている男性は全体のおよそ10%、女性でおよそ13%とのこと。やはり女性の方が多い傾向にありますが、男性でも10人に1人は貧血気味ということですから、男女共に注意する必要があります。
貧血を起こすとよくめまいや立ち眩み、倦怠感、顔面蒼白などの症状を起こすと言われますが、これはヘモグロビンが血流にのって体の隅々に酸素を送り届ける役割を果たしているため。ヘモグロビンが足りないと脳を含め体全体が酸欠状態になるため、めまいや倦怠感などの症状を引き起こすのです。ですから頭痛や耳鳴り、集中力の低下、味覚異常、肌荒れなどが症状として現れることもあり、一般に「貧血の症状」として認知されている立ち眩みやめまいなどが見られないからといって、貧血ではないとは言い切れません。
貧血の原因
貧血の原因を大別すると、「体内で十分な量のヘモグロビンを作れないこと」と「体内のヘモグロビンを大量に失ってしまうこと」の2つに分けられます。「体内で充分な量のヘモグロビンを作れないこと」の中には鉄分の摂取不足などで赤血球の材料が不足していることや、慢性関節リウマチのように赤血球の材料はあってもそれをもとに赤血球を作ることができない病気にかかっていることが含まれます。
特に赤血球の材料不足は貧血全体の約60~80%を占める原因となっており、例えば思春期の女性であれば無理なダイエットによる鉄分不足、妊娠~授乳期の女性であれば栄養素が赤ちゃんに送られてしまうことによる母体の栄養不足が要因となって、貧血になってしまうのです。
一方「体内のヘモグロビンを大量に失ってしまうこと」の中には月経や外傷などによる過剰出血のほか、赤血球が本来の寿命よりも早く壊れてヘモグロビンが流出してしまう「溶血性貧血」も含まれます。溶血性貧血の原因としては自己免疫異常が最も多く、そのほかには「発作性夜間ヘモグロビン尿症」や「遺伝性球状赤血球症」などの遺伝性の疾患が原因となることもあります。
まとめ
今回は特に女性によくみられる貧血について記事を書いてまいりました。文中にもありますが、ヘモグロビンの欠乏は脳に行き渡る酸素が少なくなり、集中力の低下などを引き起こすだけでなく、立ち眩みやひどい時には失神してしまうこともあるので、出来ればかかりたくないものです。
貧血の予防には血液の材料となる鉄分を取ることが大切ということはよく知られている事だと思いますが、下記、引用のように鉄分の吸収効率を高めることも重要ですので、食事をする際には気を付けるようにしましょう。
鉄の他にもヘモグロビンなどの材料になるたんぱく質・鉄の吸収を高めるビタミンCの摂取も大切です。鉄もたんぱく質も多く含む食品には牛肉やレバー、カツオなどの赤身の魚、あさりなどが、ビタミンCが多い食品には緑黄色野菜・果物などが挙げられます。さらに赤血球が作られるときには葉酸(ビタミンの1種)やビタミンB12などが必要になります。葉酸の多い食品はレバーやほうれん草、アスパラガス、ブロッコリー、納豆など、ビタミンB12の多い食品はレバー、魚介類、チーズなどです。
(中略)
また、鉄は胃酸が分泌されると吸収されやすくなります。柑橘類や酢などの酸っぱいものを食べたり、よく噛んで食べたりして胃酸の分泌を促すと、鉄の吸収率が高まることが期待できます。
貧血予防には、上記のような鉄を多く含む食事を心掛けるほか、「無理なダイエットをしていないか」「朝食を抜いていないか」など、食生活全般を見直しておきたいものです。通常の食生活での摂取が難しい場合には、ミネラルやビタミンの含有量を強化した食品(鉄であれば牛乳・乳製品、飲料など)も販売されています。表示をよく見て利用を検討してください。
引用:e-ヘルスネット
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