初期段階での対策が重要!熱中症の重度区分と応急処置

夏というとバーベキューや川遊び、海に出かけたり、と色々な楽しいイベントが思いつくものです、昨今では新型ウイルスの影響からなかなか外出できないことが多くても、それらの規制も徐々に和らぎ、いつもの日本らしいイベントが戻ってきている印象を受けます。

またそういった状況になっていてもやはり身体は動かしていたいもので、非接触型のゴルフや感染対策などをしっかりとしたスポーツが人気になっていると聞きますが、やはり夏が本番を迎えると注意したいのが熱中症です。それはスポーツしている時に限らず、家の中でも起こる可能性がありますし、対応を誤ると死んでしまう可能性もありますから、新型ウイルスと同様に気を付ける必要があります。

今回はそんな熱中症の重症度についてご説明し、それぞれの状態が理解できるような記事を書いていきたいと思います。それでは一緒に確認していきましょう。

熱中症の重症区分

年々暑さが厳しくなるに伴って発症者も増加傾向にある、熱中症。現在行政が積極的に熱中症の注意喚起を行っていますが、今なお熱中症で医療機関に運ばれる患者が後を絶たないのは、患者本人に自覚がなく気づいたときにはもう遅すぎる、というケースが多いためと言われています。熱中症の初期段階では、例えば体温が上がっていても表面的には判断できない程度であったり、生あくびやこむら返りといった症状があってもその日の体調によるものと考えたりして、無視してしまうことが多いのです。そのため初期段階を含め、熱中症の重度区分を予め把握しておくことが大切です。

「Ⅰ度」は熱中症の初期段階で最も軽度のものですが、それゆえに気づきにくいのが厄介なところです。Ⅰ度において見られる症状としては、体温の上昇や生あくび、こむら返り、大量の発汗、立ち眩み、筋肉痛や筋肉の硬直、手足のしびれ、頭痛や疲労感などの不快感。ところがこれらの症状が見られても、そもそも熱中症を起こすシーンとは高温下で作業を行っている時などですでに感覚がマヒしてしまっているため、前述の通りその日のコンディションによるものだと勘違いしてしまうことが少なくないのです。

「Ⅱ度」はⅠ度で見られた症状を無視したために熱中症が進行した状態で、頭痛や吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力の低下等の症状が見られます。ただしこれらの症状も他者に気づかれることは少ないため、本人が無視してしまうと更に重症化してしまうことになります。

「Ⅲ度」は最も重度の熱中症で、意識障害や痙攣、過呼吸や異常なほどの高体温、ショック症状などが見られるため他者の目にも明らかです。実際Ⅲ度になると本人にはもう対処する意識や力が残っていないため、気づいた他の人が救急車を呼んで病院に搬送するというケースが殆ど。これが遅すぎると死に至る可能性もありますし、運よく回復しても脳機能に後遺症が残ることもあります。

熱中症の初期段階でとれる応急処置

それでⅠ度の症状を感じたなら無視をせず、その時点で応急処置をとりましょう。まずは木陰などの涼しい場所に移動し、スポーツドリンクや塩をひとつまみ入れた水をコップ1杯飲みます。服を緩めて首やわきに濡れタオルなどを挟み、体を冷やしながらしばらく安静にしましょう。できれば足を高くして横たわるようにすると、より効果的です。1人で対処できないようであれば、他の人に遠慮なく助けを求めてください。

またそれ以上の重症度の場合、命にかかわるものであることは明かですから、すぐに救急車を手配することが必要ですが、まずは上記の内容を実践し、なるべく生存率が高くなるように対処すると共に、普段から定期的な水分補給や、直射日光に当たらない、熱中症アラートが出ている時はなるべく外に出ないなどの基本的な予防策を講じるようにしましょう。

まとめ

今回は夏になると必ずといっていいほどに重症者を出してしまう熱中症について記事を書いてまいりました。文中にもそれぞれの重症度に応じてどのような変化が身体に起こるか、をご紹介していますが、度以降からは自分では対処できなくなってしまいますから、本当につらい時は何も考えずに他人に頼るようにしましょう。

それでは最後に最近よく聞くけれど、内容がよくわからないという方に熱中症警戒アラートの説明文章を引用して終わりたいと思います。

 

熱中症警戒アラートとは?

令和2年夏に、暑さ指数(WBGT)に基づき、熱中症の危険性が極めて高いと予測される場合に、新たに暑さへの「気づき」を呼びかけ国民の熱中症予防行動を効果的に促す「熱中症警戒アラート(試行)」を関東甲信地方で先行的に実施しました。令和2年度に実施された「熱中症警戒アラート(試行)」の検証結果等を踏まえて、令和3年から全国で運用を始めております。

熱中症警戒アラートは、危険な暑さが予想される場合に、「暑さ」への気づきをうながし熱中症への警戒を呼びかけるものです。熱中症を引き起こす暑さは、気温だけが要因ではありません。湿度や、地面や建物からの輻射熱など周辺の熱環境とも深く関係しています。たとえば、同じ気温でも、湿度が高い場所のほうが、熱中症にかかりやすくなります。湿度が高いと、汗が蒸発しにくく、体内に熱がこもりやすくなるためです。そこで、気温だけでなく、湿度や輻射熱を取り入れた指標を用いて、熱中症への注意喚起を行う試みが「熱中症警戒アラート」です。

引用:政府広報オンライン

熱中症

Posted by harelife