不定愁訴の代表例・自律神経失調症の原因は?

精神的なストレスが肉体に影響を及ぼすという事はどなたもご存知だと思います。例えばそれは試験が上手くいかなかったり、上司や両親といった上の立場の方に叱られてしまったり、といった小さなことから戦争の最前線に立って人を殺めてしまったり、命の危機に長々とさらされることで戦地から帰ってきても精神状態が戻らないといった大きなことまで様々です。

今回はそんなストレスやホルモンバランスの変化などによって体調を崩したり、時に睡眠障害などといった不定愁訴を引き起こす自律神経失調症について記事を書いていきたいと思います。この不調は昨今、ずいぶんと有名な言葉になりましたが、自律神経のバランスを崩してしまうと、どのようなことが起こるのか、今一度確認してまいりましょう。それでは記事を始めてまいります。

自律神経失調症とは

頭痛や微熱などの自覚症状があり検査してみたものの、器質的な原因が見つからない状態のことを「不定愁訴」と言いますが、この不定愁訴の代表例ともいえるのが、「自律神経失調症」です。

自律神経とは自分の意思に関係なく生命活動を維持するために働く神経で、活動時に優位に働く神経を「交感神経」、逆にリラックスしているときに優位に働く神経を「副交感神経」と言います。この2つはシーソーのようにバランスを取りながら働いていますが、どちらかが100%優位になりその間もう片方の機能が全く停止している、ということはありません。

この2つの自律神経のバランスが何らかの理由で乱れたときに現れるのが、自律神経失調症です。自律神経は血圧や心拍、筋肉や腸の働き、体温調節など実に様々な身体機能をコントロールしている部分であるため、このバランスが崩れてしまうと現れる症状も多岐にわたります

例えば頭痛や眩暈、耳鳴り、動悸、微熱、倦怠感、便秘や下痢、吐き気、息切れ、またイライラや不安感、記憶力や集中力の低下など、身体症状だけでなく精神症状となって現れる場合もあります。これらが自律神経失調症の発作時に1つ1つ別個に現れることもあれば、複数同時に現れることも。このように症状の出方は人によってかなり個人差があるのですが、一般に本人にとって調子が悪くなりやすい部分、つまりもともと持っている弱点となる部分に症状が現れることが多いようです。

自律神経失調症の原因

自律神経のバランスが崩れる原因の1つはストレスで、例えば人間関係や仕事の悩みで慢性的に強いストレスを感じていると、心身の緊張を司る交感神経が常に優位になってしまうため副交感神経とのバランスが崩れてしまいます。また過労や睡眠不足、不規則な生活や偏食は慢性的な身体的ストレスとなってしまうため、これも交感神経が優位になる時間が長く続いてしまって副交感神経とのバランスが取れなくなってしまいます。特に適切な睡眠を妨げる習慣は副交感神経の働きを妨げてしまうため、注意が必要です。

更に女性に多い原因として、ホルモンバランスの乱れも挙げられます。自律神経はホルモン分泌とも密接な繋がりがあるため、自律神経が乱れればホルモンバランスも乱れますし、逆にホルモンバランスが崩れれば自律神経のバランスも崩れてしまうのです。このため月経や妊娠、閉経などホルモンバランスが変動することの多い女性は自律神経も乱れやすく、特に更年期障害ではほてりや眩暈、頭痛など自律神経失調症と同じ症状が現れやすいのです。

まとめ

今回はストレスやホルモンバランスの変化によってどなたにも起こりうる自律神経失調症について記事を書いてまいりました。人間社会で生きていくうえでストレスを全くためないということはできません。

またストレスはその原因をなくしてしまわなければ再びたまってしまうものですが、例えば以下のように呼吸の仕方を意識して変えることで、ストレスが和らいだり、自律神経失調症の症状が緩和できることもわかっていますので、少しでも身体にたまったストレスを抜きたいという方は是非、試してみてください。

腹式呼吸の効果は、新鮮な酸素を体内に送り込むことやリラックスできることです。

腹式呼吸の特徴はゆっくりと大きく呼吸をするところにあります。

ストレスを感じている方は気づかないうちに呼吸が浅くなり、交感神経が優位に働きます。

すると自律神経失調症をはじめ呼吸困難による呼吸器系の疾患などを引き起こし、その結果心身に影響を及ぼします。

腹式呼吸を行い、新鮮な酸素を体内に取り込むことやリラックス効果により、副交感神経が優位となりストレス解消につながります。

腹式呼吸の方法

腹式呼吸の方法は以下の通りです。

仰向けに寝転びゆっくり口から息を吐く

鼻から深く息を吸い込む

再度、口から息を吐きだす

13の動作と呼吸を繰り返す

腹式呼吸のポイントは吸って吐くではなく、吐いてから吸うことにあります。

また腹部に雑誌など本を乗せることで、腹式呼吸を目視できるため意識しやすくなります。

さらに横になることができない時は、椅子に腰かけて行うことも可能です。

その場合はへその下辺りに両手を当て、下腹部の収縮と膨らみを意識します。

引用:健達ネット