むくみのメカニズムと体がむくむ原因

「デスクワークをしていると夕方には足がパンパンになる」「お酒を飲んだ次の日、朝起きたら目がパンパンに腫れている」・・・。こういった誰にでも経験する症状は一般に「むくみ」と呼ばれていますが、医学的な正式名称は「浮腫(ふしゅ)」と言います。

一般的には男性よりも女性に出やすいものですが、もちろん男性に起こることもあります。また季節でいえば寒い冬は最も血流が悪くなりやすくなる時期で、むくみが起こりやすいので水分補給をこまめにおこない、特に冷え性の方は寒いからといって服を重ね着してしまう傾向がありますが、あまりに重ね着を多くすると締め付けがきつくなり血行を妨げ、むくみを助長してしまう結果にもなるので注意しましょう。

先のようにむくみが出ると見た目が悪くなってしまうことは元より、関節が動かしにくくなったり、せっかく買った服のサイズが合わず着られなくなってしまったりもするので、なるべくなら予防できるようにしましょう。それでは記事を始めてまいります。

むくみとは?

医学に詳しくない人でもある程度想像できる通り、むくみの原因は水分にあります。より正確に言えば、体の中の「細胞外液」と呼ばれる液体が通常よりも増えてしまっている状態のことです。

そもそも人の体は約60%が水分でできていて、そのうちの3分の2は細胞の中にあり、これを「細胞内液」と呼びます。残りの3分の1は血液中や細胞と細胞の間にある「細胞外液」で、これが血液と協働して各細胞に栄養を送ったり老廃物を回収して体外へ排出したりする働きをしています。こうして細胞外液は目まぐるしく体内を行き来しながら、体の水分バランスを保っているのです。

ところが何らかの原因で血液内に収まっているべき細胞外液がしみ出して皮下組織の細胞と細胞の間に溜まってしまうと、これが「むくみ」となります。血管から水分がしみだしてしまう主な原因は、血流の低下。血液は心臓をポンプにして全身を巡りますが、このポンプ機能が低下するなどして血流が悪くなると血管内圧が上昇するため、水分がしみだしてしまうのです。

むくみの原因

むくみを引き起こすシチュエーションとして最も多いのが、立ちっぱなしの仕事や長時間のデスクワークだと思います。ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれるように足まで下りてきた血液を心臓に返すポンプの役割も果たしているのですが、長時間座りっぱなしや立ちっぱなしでこの筋肉を動かさずにいると、このポンプ機能が低下して血流が悪くなってしまいます。こうして血管から染み出た水分は重力で下に溜まるため、足がパンパンに浮腫んでしまうというわけです。

またお酒を飲んだ翌日に顔がむくむというのもありがちなシチュエーションですが、これには塩分とアルコールの両方が関係しています。というのもお酒のおつまみになる食品は塩分濃度の高いものが多いですが、人の体には体内の塩分濃度を一定に保とうとする働きがあるため、塩分を摂りすぎてしまうとそれを薄めるために水分を溜め込んでしまうからです。加えてお酒を飲み過ぎて血中アルコール濃度が高くなると、血管が拡張して水分がしみだしやすくなるため、二重の意味でむくみやすくなってしまうというわけです。

このほか、女性ホルモンバランスの変化や薬の副作用、また何らかの病気が原因で体の一部や全体がむくんでしまうこともあります。

まとめ

今回は女性の大敵でもあるむくみについて記事を書いてまいりました。文中にもありますが、むくみの原因は一つではないものの、女性は男性に比べて筋肉量が少なく、むくみはもちろんのこと、下肢静脈瘤というふくらはぎの不調が起こったり、関節や骨盤などがゆがんでしまうような脆弱性も持っています。

例えば下記のようなストレッチも改善には役に立ちますが、時間があれば下半身をはじめとする筋肉トレーニングなどができるとより改善の近道になりますので、ぜひ試してみてください。

むくみ解消!カンタンゆる体操

運動科学総合研究所所長の高岡英夫さんが開発したゆる体操というものがあります。誰でも簡単に行うことができ、むくみ解消にも役立ちます。

1.肩ユッタリ回し体操

まず、右手で左肩をさすります。「気持ちよく。気持ちよく」と声に出しながらさすることがポイント。子どもの頭をなでる気持ちで優しくさすりましょう。反対側も行います。

そして、「ユッタリ」と言いながら両肩を前から後ろに向かって大きく回します。前(ユッ)上(タ)後ろ(リ)下(ィ)と、動きと言葉を合わせて行うとよいでしょう。脚を前後に開いて行ってもよいでしょう。

リンパの流れを活性化させるとともに、肩こりにも効果的な運動です。

2.脇フワ体操

むくみ解消に大きな働きをするリンパの要、脇の下を「気持ちよく」さすります。次に、上腕の内側と外側、肩の周りも「気持ちよく」さすります。

そして右脚に体重をのせ、「フーワー」と言いながら軽く右肘を曲げて、右脇をゆっくり大きく開いて脇腹を伸ばします。反対側も同様に行います。

引用:NHK健康チャンネル

 

むくみ

Posted by harelife