どこまでが「ながら運転」?ながら運転による事故の現状

車を運転する時には身体でも心でも様々なコンディションや状況があるものですが、今回は他のことに気を取られてしまったり、運転以外のことに注力してしまう「ながら運転」 について記事を書いていきたいと思います。

SNSの発展やスマホの登場など、運転を邪魔するものは数多くありますが、他人や自分の人生を変えてしまう可能性がある運転中には、画面を見たい気持ちをぐっとこらえることも免許を持つ方の責務ですので改めて交通安全の意識を高めていきましょう。それでは記事を始めてまいります。

ながら運転による事故の現状

スマートフォンの普及により更に懸念の声が強くなっている、「ながら運転」。「ながら運転」とは広義には車の運転中に運転以外の動作をすることを言い、道路交通法第71条では「自動車や原付自転車を運転する際、停車中を除き、無線通話装置あるいは自動車に取り付けられた画像表示用装置を使用、注視すること」を「ながら運転」と定義して罰則の対象としています。「無線通話装置」や「自動車に取り付けられた画像表示用装置」とはつまり、大抵の場合スマホやカーナビのこと。この道路交通法に違反して運転中にスマホやカーナビを使用し、これに注意が反れて運転がおろそかになって事故を起こすケースが多発しているのです。

実際警視庁の発表によると、2019年の時点でながら運転によって起こった交通事故件数は2645件、このうち死亡事故が42件とのことで、ながら運転による事故のうちおよそ1.5%は運転手、同乗者、あるいは相手の車や歩行者が死に至っていることが分かります。またながら運転の詳細の内訳では、「カーナビなど画面注視によるもの」が最も多く、続いて「スマホの操作(画像目的使用)」、3番目に多かったのが「スマホでの通話」となっており、画面に気を取られ前方不注視になるケースが全体の9割以上を占めていることが明らかになりました。

ながら運転の対象とは?

道路交通法によると「ながら運転」とは運転中に通話装置や画像表示装置を使用することですが、そのうち刑罰の対象となるのは「(無線通話装置を)手で保持しなければならない場合」また「(画像表示用装置を)注視した場合」となっているため、例えば運転中にスマホで通話するとしても、それがハンズフリーなら違反にはなりません。また「チラ見」と「注視」ではかなり違いがありますが、具体的に「何秒以上が注視」という規定もないため、これも実際に事故が発生した場合に、現場の警察官によって「注視」であったかどうかが判断されることになります。

また同交通法の中では「停車中を除き」と書かれているため、赤信号などで停車中に携帯電話を使用したりカーナビ画面を注視したりしても、違反にはなりませんし、あくまで「通話装置」「画面表示装置」の使用にのみ言及しているため、例えば運転しながら食事をしたりメイクをしたりしても、「ながら運転」とは見なされません。とは言え運転中の食事やメイクは道路交通法第70条「安全運転義務」違反となるため、やはり罰則の対象となります。

まとめ

今回はついついやってしまうながら運転とそれによって起こる事故について記事を書いてまいりました。文中にもよく出てきますが、やはりスマホやSNSなどの出現は私たちの日常生活をいい意味でも悪い意味でも大きく変えたといえます。

またスマホ以外でもぼーっと運転していたり、体調が悪い、身体が痛い、などによって運転に支障があるときもあると思います。例えばちょっとしたストレッチをすると集中力があがったり、頭がすっきりすることがわかっていますので、以下のような首を左右に振りやすくなる運動などを休憩中や運転前などに行って、身も心も健康に運転できるように努めましょう。

振り向きやすくする体操

安全運転には左右や前後などの目視確認が欠かせません。しかし、高齢者の振り向く角度は、若年層に比べて40度小さいといわれています。

そのうち30度は胸と腰、すなわち体幹をひねる量の低下です。特に腰痛などがあると、痛みをさけるため、振り向く角度が小さくなりますが、無理のない範囲で体や首をほぐしていきましょう。

体と首をひねる体操。座ってできるドライビングストレッチ

できるだけ自分の真後ろを見るように、ゆっくりと3秒かけて左側に体と首をひねります。

ゆっくりと戻します。

できるだけ自分の真後ろを見るように、ゆっくりと3秒かけて右側に体と首をひねります。

ゆっくりと戻します。

交互に3回繰り返します。

手でイスのシートや背もたれをつかんでも良いですし、膝や太ももを支えにしても構いません。

首をひねる体操。座ってできるドライビングストレッチ

できるだけ自分の真横を向くように、左側に首をひねります。

ゆっくりと戻します。

できるだけ自分の真横を向くように、右側に首をひねります。

ゆっくりと戻します。

交互に3回繰り返します。

引用:JAF